折り絵本の作り方 ~ 起承転結のコツとストーリー構成

絵本を描いてみたいけど制作のイメージがつかめない方や、
沢山の絵を仕上げる時間がない場合は、「折り絵本」をつくってみてはいかがでしょうか?
折り絵本は表紙も入れて4見開きの8ページ、気軽に起承転結の効果を試してみることも可能です。
また「折り絵本」は、ZINE作品として、営業ツールやプレゼントに手軽に利用できます。
そして、「絵本と表現」コースでは、「折り絵本づくり」の無料セミナーを開催しております。
セミナーでは、テンプレートを利用して絵本的な考えや印刷原稿の「絵」の描き方などと共に、
以下のような特徴について、具体的に考え体験し制作いたします。
無料セミナー「折り絵本」セミナーは、毎月第1、2月曜ですので、興味がある方は気軽に受講してみてくださいね。


1.折り絵本とは?それ以外のZINEの種類と特徴

a.折り絵本とZINEの種類(ジャバラ、中綴じ、他)
  • ・折り絵本の定義:「1枚の紙を折ることで作られる絵本」

また、折り絵本以外にもいろんな方法で手軽にZINEの絵本を作れます。

  • ・ジャバラ折り(ページをめくるのではなく、広げる)
  • ・中綴じ(折りたたんだ紙をホッチキスで留める)
b.紙を折って作る絵本の魅力とは?
  • ・自由な発想でデザインできる(ページのつながりや折り方を活かした表現)
  • ・立体的な絵本の楽しさ(ページを広げると1枚のアート作品のように見える)

どちらもオリジナル絵本を作る時にも、必要な楽しめる要素です。
絵本は、どういうものなのか?いろんな切り口から考える頭の体操になります

1枚の紙を8等分して、真ん中に切れ目を入れ、折ることで
用紙の片面に描かれた画像が、表裏表紙+3見開きの折り絵本になります。


2. 折り絵本のストーリー構成に、起承転結を取り入れるメリット

a.なぜ絵本に起承転結が必要なのか?
  • ・読者の理解を助ける

「起」と「結」が、ちゃんと繋がると、読み終わった時、読者は納得しやくなります。
「承」が面白いと、ページをめくるのが楽しくなり、読者はその感情を思い出し何度も読み返したくなります。
「転」があることで、驚いたりホッとしたり気持ちが大きく動くことで、読者の満足度が増します。
もちろん内容を伝えるためには、自分らしく構成し、こだわる必要はありませんが、
読者が理解しやすく、納得や満足を与える物語の構成方法が起承転結なのです。

b.折り絵本ならではのストーリー展開の工夫
  • ・見開きで1つの場面を描く工夫
  • ・折りの特性を活かしたストーリーの流れ

オリジナル絵本の場合も同じように、その外的要素ならではの事も絵本内容と共に考えます。
また逆に、物語の内容に合った観音開きなどの仕掛けや効果から、外観やページ数を決める事もあります。
本の形の縦長横長、大きさやページ数など、いろんな物理的な規制は絵本内容と共鳴し、絵本は完成します。

3. 折り絵本の作り方と起承転結に沿った構成例

a.用意するもの
  • ・クロッキーブック(アイデアや構成を確認するため)
  • ・描きたい画材と用紙(A3)/デジタルはご自身のPCやiPad

手描きの場合は、原画をそのままコピーするので、A3サイズの仕上げ用紙が必要。
原寸一枚仕上げが難しい方は、スキャンしDTPで可能ですが時間がかかります。
そして、大切なことは絵本のイメージ。
セミナーでは、事前にどんな絵本をつくりたいのかを具体的に決めておきます。

b.折り方・絵の描き方
  • ・テンプレートを利用した制作です。

絵本的な考え方や印刷原稿の「絵」の描き方を考えます。

c.ストーリーを考える際のポイント(起・承・転・結)
  • ・起承転結を活かしたストーリーの作り方
  • ・短いページ数でも伝わる構成のコツ

セミナーは個別指導です。ストーリーの内容に合わせて一緒に考えます。

d.折り絵本のページ割りとレイアウトの工夫
  • ・ページのつながりを意識した配置方法
  • ・絵と文字の配置バランス(視線の流れを意識)
  • ・背景の統一感を出すデザインのコツ

内容によって表現は多岐にわたります。画面の具体的な要素に合わせて考えます。

4. 折り絵本を作る上でのポイント

a.対象年齢に合わせたストーリーを考える
  • ・幼児向けはシンプルな言葉&カラフルなデザイン
  • ・小学生向けは少し複雑なストーリーでもOK

読者の年齢に気をつけることの基本的な考え方は、伝えるためには
習っていない、知らない言葉や漢字は使わないことです。

b.ページ数と折り方を工夫する
  • ・ジャバラ折りは長いストーリーに向き

絵本内容と外観や仕組みは、互いに影響し合います。
それがマッチすることで読者の満足度はアップします。

c.絵と文字のバランス
  • ・フォントや配置の工夫、絵・文字で伝えるバランス

これも、a.b.同様オリジナル絵本の場合も同じ注意点です。

5. まとめ_折り絵本の楽しさをつたえるには?

  • ・作った折り絵本を発表する場を作る(SNS・展示会)

作品は作者が満足することが一番ですが、他人に見てもらって完成します。
初めは人の評価は怖いですが、ちゃんと伝わる表現になっていたかを確認することは大切です。
ひとりよがりにならないように、他者の見方も自分の糧になります。
そして、思いもしない伝わり方や評価を受ける場合もありますから、楽しんで吸収してくださいね。

中田 弘司

中田 弘司
Profile
制作事務所勤務デザイナーを経て、1989年よりフリーランス。
今までに幼児向け雑誌絵本等にて100話以上のお話の挿絵制作。
絵本をはじめ、「ビッグコミックオリジナル・増刊号」(小学館)表紙イラストや、
月刊誌「大阪人」にて歳時記や町歩きの画文の連載等、
壁画からキャラクターまで多様な作品を制作。
東京・大阪・神戸にて個展多数。主な絵本に「ぷぅ」( 作:舟崎克彦/ポプラ社 )がある。
Message
目には快感、心が楽しみ、気持ちを遠くに運ぶ
絵本やイラストを目指しています。
仕事での経験を生かし、一緒に考えながら、アドバイスをします。

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