歳を一つとって、新たに音楽理論を独習し始めました。
美術・絵画コース先日、誕生日を迎えまして45歳になりました。アートスクールの生徒さんや先生方にも「おめでとうございまーす!パチパチパチ!(拍手)」と、お祝いしていただきました。いい教室ですよ、ほんとに。
歳を一つとったのでこの機会に今までやりたかったことや知りたかったことをきっちり勉強しようかと思いたちまして、その一つとして音楽理論を独習し始めました。とりあえず楽典の本を一冊一通り目を通したのですが、それだけでも新しく知ったことや腑に落ちたことがいっぱいありました。音楽というものがどういう法則で成り立っているのか、おぼろげながらにも理解したような気がします。今度は鍵盤で音を確認しながら同じ本をもう一度読んでいこうと思います。聴覚が加わることで理解がより一層深まって、腑にボットンボットン落ちまくるのが楽しみです。
作曲家や演奏家など、音楽を仕事にしている人は楽典などの音楽の基礎知識の習得はもちろんのこと、ソルフェージュやコールユーブンゲンなどによって楽譜を一瞬で把握する訓練を幼い頃から積み重ねて身体に叩き込んでいるのでしょう。そういった基礎的な力があってはじめて、美しい曲ができたり素晴らしい演奏ができたり、自分の思い描く理想の音楽が自由に表現できるんだなとまた腑に落ちました。
現在、アートスクールの他に2ヶ所の美術大学でデッサンや基礎描画を教えています。若い学生たちにとっては退屈な内容だろうと思います。見込みのある子もない子も、真面目な子も不真面目な子も、とにかく基礎を身につけていただかないと全くお話になりません。本当に自由な表現というのは基礎的な力の先にあるものなのですが、若い人にはそれがわからんのですよ。おそらく皮肉なことに基礎の重要性を本当に実感するのは、本人達自身が基礎をしっかり身につけて自由な表現の地平に立った時にはじめて沸沸と沸き起こるものなのでしょう。若いうちは色々と楽しいこともあるでしょうから大いに今の時を楽しんでいただいたらいいとは思いますが、学べるうちに学んでおかないと自由な地平には一生立てません。
いつの間にか45年も歳を重ねて、基礎の大切さをおやじ臭くグダグダいうようになってしまいましたが、自分自身も新しいことに挑戦して、その度に基礎からしっかり学ぶという姿勢で臨んでいきたいと思います。
松田 一聡
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