マゼンタ・イエロー・ブルーの3色による絵具を使った混色の方法

今回は、昨年6月に載せましたブログ『色について【色相・彩度・明度編】』で話したマゼンタ、イエロー、ブルーの3色による絵具を使った混色の方法を紹介します。

普段から色をつけて絵を描くことがなく、
「初めてアナログで作画をしよう!」って思った時。
一番はじめにつまずくのは 混色ではないでしょうか?
「どの色をどう混ぜたら作りたい色になるかわからない。」
「この色を塗りたいけど市販の絵具にはこの色が売ってない。」

そんな時、色の原理さえ知っていれば
3色+白と黒で近い色を作り出すことが出来るのです。

では、まずどのように色が変化していくのか確かめてみましょう。
混色は、どの画材でも使えますが、
今回は一番わかりやすいアクリルガッシュを使用します。

使用する絵具はこちら。

(画像:絵具3)

昨年新たに発売された「リキテックス ガッシュ・アクリリック プラス」から3色。
余談ですが、アクリルガッシュは以前ブログでも描きましたが、厚く塗ると絵具がひび割れることがあります。こちらはその弱点を克服したハイスペックな絵具です。

実験したところこのくらいの厚みもひび割れることなく固まりました。すごい!

マゼンタ
(キナクリドンマゼンタ)

水で薄めると鮮やかなピンクになります。

ブルー
(フタロシアニンブルーグリーンシェード)

イエロー
(プライマリーイエロー)

※絵具の正式名称は基本的には省略し「マゼンタ、イエロー、ブルー」と呼ばせていただきます。

では、さっそく混ぜてみましょう!

まずは、
マゼンタ×イエロー

イエローの分量を多くすることによってオレンジにもなります。

イエロー×ブルー

イエローの分量を少なめにホワイトを混ぜると
ターコイズブルーのような色も表現可能です。

ブルー×マゼンタ
水が少ないとかなり濃い紫ですが、水や白を加えると鮮やかな紫になります。

このように混ぜ合わせることによって3色でも色相環を作ることができます。
真ん中は各色の彩度を落とした色です。対面している補色を混ぜ合わせることによって彩度を下げた渋い色を作ることができます。

ここまでで、どの色を混ぜればどんな色になるかだいたいわかったでしょうか?
せっかくなので、具体的な色を作ってみましょう。

例えば、トレンドカラー
トレンドカラーとは、アメリカの会社パントンが様々な業界を調査し選定した、その年のテーマカラーです。

2019年がリビングコーラル、2018年がウルトラバイオレット、2017年がグリーナリーです。

この3色を作ってみましょう。

リビングコーラル

リビングコーラルは鮮やかな黄色よりのピンクです。
マゼンタに水や白を加え薄くしてピンクの濃度を調整し、バランスをみながら黄色を入れましょう。

今回使用のマゼンタは濃い色にも対応するために少し青の強いものを使っています。
なので、少し渋くなります。
もっと鮮やかな色彩を作りたい場合は蛍光色のマゼンタを選ぶといいでしょう。(「リキテックス ガッシュ・アクリリック プラス」の場合「蛍光オペラピンク」)

ウルトラバイオレット

ウルトラバイオレットは少し渋めでクリーミーな色合いです。
ブルーにマゼンタを足してバランスを見ながら白と少量のイエローを足しましょう。
黄色は紫の補色なので少量加えることで、鮮やかな色彩から落ち着いた色に変わります。

グリーナリー

グリーナリーも鮮やかすぎず、渋さとクリーミーさのある色です。
ブルーとイエローを足して黄緑を作り、マゼンタで渋み、白でクリーミーさを足し調整しましょう。

このように混ぜることによって微妙な色合いも表現することが出来ます。
この原理が頭にあればこの3色以外でも作りたい色の似た色を調整することもできます。
この混色方法は他の画材でも使えるものなので
ぜひ覚えて、混色を楽しんでくださいね!

またいずれ、彩度明度の調整方法についてもお話ししますね。

 

 

?過去の参考ブログ:『色について【色相・彩度・明度編】』も合わせてチェック✔

 

生川 彩

生川 彩
Profile
‘13 神戸芸術工科大学デザイン部 ビジュアルデザイン学科絵本コース卒
ギャラリー葉「ずーたのおもちゃの箱」
‘14 ギャラリー葉「ずーた&M&Nのおかしの国」
‘15 ギャラリー葉「ものがたり展」
Message
楽しく自由な絵本が好きで大学で絵本を学びました。最初は不安に思うこともあると思いますが、不安が楽しみに変わるよう学んだ知識と経験を生かして、みなさんが納得のいく作品に仕上がるよう共に考えアドバイスします。「やりたいこと」を大事にして、楽しく絵本を作りましょう!
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