美術科金曜アトリエ通信 12月号・「来年は戌年」
美術・絵画コース皆さま、今年も一年ありがとうございました。
来年は戌年ですね。
(出典-「犬たちの肖像(集英社)」 (著)四方田 犬彦:amazon.co.jp)
「犬たちの肖像」という本があります。
古今東西たくさんの文学作品に登場する犬たちが取り上げられています。
これ、冒頭から圧巻の犬・犬・犬で…。
犬好きは胸が苦しくなるラインナップです。
表紙になっているのはパオロ・ウッチェロの「狩」。
私はこれが好きで、作品のモチーフにしたことがあります。
画面中央の消失点に向かって人も馬も犬も木々もみんな集約される構成です。
ほっそりとした美しい猟犬はきっとサルーキですね。
最も古い犬種のひとつで、古代遺跡のレリーフや聖書にも登場します。
頭よりも首が太いので、
お散歩の時にはすっぽ抜けない仕組みの首輪を付けてあげましょう。
安土桃山時代には
宣教師がサルーキを連れているのを長谷川等伯が見たらしく、涅槃図に描いてもらっています。
(出典- 重要文化財『仏涅槃図』(慶長4年/1599/京都・本法寺蔵) (作)長谷川等伯:アート情報総合サイト 京都で遊ぼう)
一緒にいるのはコリー?
(出典- 同上・部分拡大図)
「等伯」という小説にもその邂逅が印象的に描かれていました。
(出典-「等伯 下(文春文庫)」 (著)安部 龍太郎:amazon.co.jp)
教室には犬好きの生徒さんも多くいらっしゃって、
ご家庭での様子を聞くと必ず名前と性別と年齢と体重を質問してしまうので、
怪訝に思われたらすみません。
犬のこととなるとついつい。
ちなみに美術科で金曜日にご一緒させてもらっている谷野先生は戌年で、
来年年男だそうです。
亥年生まれでちょっと残念な山下がお伝えしました。
皆様よいお年をお迎えください。
来年もまた教室でお待ちしております☆
山下 智子
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