白亜地セミナーリポート 第⑥弾(卵黄を使ったテンペラ絵具編)

白亜地セミナーの黄金背景金箔実習は開始から一年を迎えました。
前回のセミナーの報告では金箔を台に置くところまででしたが、
現在はそれから工程が少し進んでおります。
今日はみんなでテンペラ絵具を作ります。
金箔張りの工程の報告はいずれ折をみてブログに掲載したいと思います。

さて、テンペラ絵具にはいろんな種類がありますが、
今回は卵黄を使ったテンペラ絵具を作ろうと思います。

卵を割って卵黄のみを取り出します。
卵黄を手のひらにのせてコロコロ転がします。
手のひらについた卵白を布で拭きつつ、
転がし続けると卵黄の表面についた卵白がとれてきます。
転がしているうちにカラザもとれてきます。

そうしますとこのように卵黄をつまんで持ち上げることができます。
ぽゆんぽゆんしております。

つまみ上げた卵黄をナイフや針などで…

プスっと。

卵黄の皮を残して中身だけを取り出すことが出来ました。
皮を取っておかないと絵具に皮が混ざってしまいます。
そうすると作品の画面にも皮が残ってしまいます。

この卵黄に食用のお酢と防腐剤を添加します。
これでテンペラメディウムができました。
このテンペラメディウムに顔料を混ぜて練っていきます。
顔料によっては練りにくいものもあります。

練り上がった絵の具をシリンダーにつめます。

とりあえず、基本的な色11色ができました。
冷蔵庫にいれて保管します。

さあ、描画段階にはいります。

 

美術科 講師:松田

 

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松田 一聡

松田 一聡
Profile
'01 東京芸術大学大学院油画技法材研究室終了
'11 「風景と静物画」展 (ホキ美術館)
'12 「重 力」展 (Gallery Suchi)
'13 アートフェア東京 2013 (Gallery Suchi ブース)
Message
物事を学ぶにあたっては一直線に目的に突き進むよりも、寄り道や遠回りをしたほうがより立体的な理解を得られるという事があるのではないかと思います。絵画の制作においても、寄り道や遠回りなど、一見は無駄に思えるような行為を経る ことで、最終的により豊かな表現に達することができると思います。そういった行程も絵画制作の楽しみのひとつです。脇道の向こうの風景に少しでも心が動いたら、迷わずにそちらの方向に足を向けて進んでみて下さい。
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