美術科金曜アトリエ通信1月号 美しい模写
美術・絵画コース皆さま、明けましておめでとうございます。美術科の山下です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年最初の作品紹介は、美術科のIさんの美しい模写からです!
美術科の生徒さんはご存知の方も多いかもしれませんが、本棚に『ネイチャー・スケッチブック(マロリン・バスティン 著 / 1998年 日本ヴォーグ社)』という小さな本があります。
細密な水彩画でモチーフの素朴な様子を描いてあって、きっと長年色んな生徒さんが参考にされてきたのかページが外れてきておりますが、いい本です。
金曜日の生徒さんでMさんという方がこの本を書店で探されたそうですが、もう手に入れるのが難しいらしく、古本で見つけて購入されていました(元値よりお高くなっていたそうです)。
素敵な本なので手元に置いておきたくなる気持ち、わかります。
Iさんはこの本の中から作品を選んで模写することで描き方を研究されました。
小さな本ですので拡大して画用紙に鉛筆でトレース、主にアクリルガッシュで着彩し、色鉛筆と水干絵の具でもアイデアを加えられました。
Iさんのすごいところその1は、トレースの上手さです。
トレーシングペーパーを使うとはいえ、すべての線を拾えるわけではありません。
原画を観察しながら淡々と丁寧に線をつないでいくことができるのがIさんの強みだといつも思って見せていただいておりました。
途中経過、撮影しておけばよかったです…!
Iさんのすごいところその2は、色作りの正確さです。
資料を見ながら描く際にはもちろんなのですが、数年前に野菜を買ってきて教室で描いていらっしゃるのを拝見して以来、Iさんの色の再現性の高さに驚きと憧れを持っております。
私が一番好きな作品はこの大根です!
青く辛い味がしてきそうな色!決定力があるから濁らない美しさ!いいです。
こんな風にモチーフの色の印象を一発で捉えられる力があると、見る人に伝わるものも強いですよね。
(機械音痴の私に代わって作品をスキャンしてくださったアートイラストコースの岡本先生、ありがとうございました…!)
新年は新作からスタートのIさん。今年は本の装丁に関心を持たれているようです。
きっと素敵なものになると思います!楽しみにしております!
山下 智子