美術科金曜アトリエ通信3月号 箔を焼いて制作する。
美術・絵画コース皆さんこんにちは。美術科講師の谷野です。
ようやく春の陽気が心地よい日が多くなって来ましたね。
今回はいろいろな分野で使われている箔を薬品などで変色させてその効果を利用して制作している生徒さんの作品の一部をご紹介しながら簡単に解説します。
日本画でよく使われている箔特に銀箔は長い間放置しておくと酸化して茶色くなり黒ずんで行きます。
硫黄の粉や液体化した硫黄化合物を使い瞬間的に短い時間で化学反応させ変色させ、またこの事を箔を焼くと言う言い方をします。
上記の画像は美術科の生徒さんの作品ですが孔雀をデフォルメした形で描かれていて日本画画材の胡粉を盛り上げて下地を作りそこへ銀箔を張って硫黄化合物の液体をコピー用紙などの紙に塗って焼きたい場所に押し当てアイロンをあてて熱を加える事で化学反応させ変色させていきます。
また硫黄の粉を箔の上にまぶして時間をおいてから取り除くという仕方もあります。
さらに焼き目を活かしながら彩色を施していったりもします。
ただ上記の事を行っていく時は注意点があって硫黄を使うため鼻をつく独特の刺激臭がありアイロンで熱を加える際に若干の有毒なガスが生じるため換気等は十分気をつける必要があり肌にも付着しないように注意します。
今この孔雀を描いている作者は公募展向けの少し大きなサイズの作品を製作中です。