美術科金曜アトリエ通信1月号「葡萄の木炭」
美術・絵画コース皆さまこんにちは。美術科講師の山下です。
今年のお正月はいいお天気が続きましたね。私は久しぶりに焚き火をして、画材にできるよう木炭を作ってみました。
ZECCHIで買ったVine Black
以前フィレンツェで滞在制作をした際に、現地で一番気に入ったのが葡萄から作った黒の粉末顔料でした。これをカドミウムイエローと混色すると絶妙な緑になるのですが、日本ではなかなか見かけないのでずっと手作りしてみたかったのです。
枝にしても種にしても私の食生活ではなかなかまとまった量は手に入りませんが、生徒さんが育てた葡萄を差し入れてくださったことがあり、枝の方を所望してしまいました。Nさんありがとうございました!
マスカット・オブ・アレキサンドリアか、シャインマスカットかどちらかの枝だそうです。ええ枝!
ぶどうの絞りかすから作る黒もあるそうですが、Nさんのおかげで今回葡萄の枝からの木炭作りは思いのほか簡単にできてしまいました。
アルミホイルで包んで空気穴を狭くしてえーとえーと、と山の中でネット記事を確認していたら、自宅のコンロやダッチオーブンでも作れることを知ってしまいました。ガーン
アルミホイルを開けてみるとそこには炭化した葡萄の枝が。太め、柔らかめで柳の木炭に似た描き味です。デッサン用の木炭っていい値段がしますが、節がない部分を同じ長さで商品にしてあるのですから仕方がないし有り難いことですね。
初めて作った木炭を、現在デッサン基礎科に在籍中のNさんお渡し用に。私ももちろんデッサンをしたり、粉末にして油や卵や膠をメディウムに絵の具として使う予定です。まだ少し枝を残してあるので今度はダッチオーブンを使って木炭にしてみたいです。
ちなみにヨーロッパの葡萄農家さんは葡萄の枝を火力に串焼きBBQをするそうです。ほのかに葡萄の香りがするのだとか。オシャレ!市販のデッサン用木炭でBBQはできるのか、ちょっと気になってしまうのでした。
山下 智子