デジタル制作でエッセイマンガが出来るまで ~後編~

こんにちは。コミックイラストコース・アナログ作業担当の木元です。
今回は、デジタル仕上げでエッセイマンガが出来るまで~後編~です。

 

前編の記事はコチラから

 

投稿を目標にマンガを描き始めたマンガ初挑戦の受講生さん。
下準備であるプロットとネームがなかなか捗らず3か月かかってしまって、
絵を描く作業に入られたのは〆切の一ヶ月前・・・間に合うか!?

 

③下絵をかく(下描)、④清書(ペン入れ)する

下絵のための簡単な下絵、ラフを描きます。
これは人物の位置や背景の形を決めておくためのもので、
ラフを元に描きこんでいって下絵を完成させます。

デジタルだとアナログで描いたネームを取り込み
一部手直ししながらそのままラフとして使えます。
デッサンの狂いやセリフの位置、背景や構図を
ネームの時より細かく考えていきます。

紫の線は最終チェックで直した訂正箇所。
下描をそのままブラシアップしていって清書に近づけていきます。
使用ソフトがツールはSAIなので
ペン入れは鉛筆ツールの筆圧感知を調整して
ペン画のタッチに近づけていきました。


〆切前は悩んで作業が捗らない時間が一番もったいないので、
ストーリー上と全体バランスの為に
必要なところだけに背景と小物を描いて、
あとは最終仕上げで考えることにしました。

 

⑤色を塗る

デジタルでやるからにはカラーで!
ということで着彩することになりましたが、
受講生さんのタッチだとリアルな影で立体感を出すより
バケツツールで色をベタ塗りする方が合っていました。

キャラクターに色をつけたら背景を塗っていきます。
背景のないコマをそのままにしておくことができないので、
模様やグラデーションをつけたり、
一部主線を無くしてみたりとバランスを見ながら色をつけていきます。
すべてのバックに色を付けると見づらいし、
だからといって色が少なかったり合わなければ見づらい・・・
カラーの一番の悩みどころです。

キョーリューくんは
実際に受講生さん宅に実在するなかなかすごい配色のぬいぐるみです。
目立ちすぎないようにタイトルを一文字づつ変えたりと工夫。


注目どころはカレンダー!
すごいのです、日付がきちんと書いてある!
ただ、読んでるとほとんど目に入らなくて、ちょっと残念。

時間があれば直したいところもありましたが、〆切があります。
最後のコマを枠なしにしてインパクトをつけ、
フォントを使っていたセリフを
受講生さんのタッチに合わせてすべて手書きに変えたり。
出来るだけ理想のクオリティーに近づけたところで、タイムアップ。
優しいタッチのかわいいマンガになりました。

読めば一瞬なのにこんなに大変なんだ!と受講生さんは痛感されたそうです。
そのぶん達成感はとても大きかったとのことでした。
〆切に追われても完成させられたのは
デジタルならではのメリットで時間がかなり節約できたことがありました。
ちょっと描いてみたいと思いながらためらってる方は
ぜひデジタルで挑戦してみてくださいね!

 

~関連記事~
デジタル制作でエッセイマンガが出来るまで ~前編~

 

木元 慶子

木元 慶子
Profile
宝塚造形芸術大学美術学科卒業
マンガ家アシスタント、イラスト事務所勤務、
マンガ学科講師を経て現在フリーイラストレーター。
広報誌、Web広告でのマンガやイラストを制作。
Message
絵は人に見てもらって自分で気づかないところを言ってもらえると
一人で描くよりずっと上達が早く、楽しくなります。
楽しく描けた絵からは描いた人の楽しさが伝わって見てる人も楽しくなります。
無理なく自分のペースで楽しさを見つける場だと思ってもらえるとうれしいです。
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講師インタビュー
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