ヴィネット風イラスト制作過程のご紹介
コミックイラストコースこんにちは。コミックイラストコースの榊です。
今回はヴィネット風イラスト制作過程のご紹介です。
ヴィネットは元々小型のジオラマフィギュアのことなのですが、
箱庭の様な小さい面積に人物はもちろん風景まで
ギュッとアイテムを詰め込んだイラストのこともそう呼んでいます。
画面の端までしっかり背景を描きこんだイラストはちょっと大変という時や
いつも人物だけだったとけど少しずつ背景にチャレンジしてみたいという方にもおススメです。
暗い洞窟をランタンとクリスタルの明かりを頼りに探検中。
奥には何がいるのかドキドキしますね。
早速メイキングを見ていきましょう!
使用ソフトはクリップスタジオです。
■ラフ制作
まずはラフの制作から見ていきましょう。
アナログでラフを練ってもらいます。
アナログの時点ではどんなキャラクターでどんな状況なのか、
どんなアイテムを入れるのかなどアイデアをいっぱい出してもらいました。
さらにPC上に作業を移してラフを詰めていきます。
冒険家の少年
クリスタルの洞窟を探検中
宝箱の上で一休み
洞窟の壁を這う木の根やツル、
先に咲く不思議な花・・・などなど。
それぞれのアイテムの資料を探して参考にしながら清書作業に入ります。
背景はカラーラフから直接清書していきますが、
人物だけはもう一段階ラフを挟んでから清書しています。
主役になるものはより慎重に進めていきます。
■線画制作
清書完成です。
続けてどんどんベースカラーを塗っていきましょう。
しっかり形が取れたらあとは塗っていくだけですね。
■着彩
まずはベースカラーの着彩から。
カラーラフを最初に作っているので、色選びも迷わず進めていけます。
次に陰影をつけて塗りこんでいきます。
このままでも十分ステキなのですが、光の効果を追加していきます。
暗い背景のイラストなので、
クリスタルやランタンの光を入れるとキレイに映えますね。
最近のソーシャルゲーム系のイラストは
キラキラがキレイに見える演出を多用しているので、
人物も背景も思っているよりしっかり陰影をつけていることが多いです。
こちらで完成にしてもいいのですが、ここで一言アドバイス。
洞窟の奥を真っ暗にしてしまうより、
より奥行を感じられるように光らせてみることにしました。
奥に何があるのかドキドキ…雰囲気でてきましたね。
奥が明るくなったので、更にアイテムを追加してみましょう。
デジタルでは影の濃さやアイテムの足し引きなど簡単に出来るので、
最初はちょっと「やり過ぎ」なくらい詰め込んでみてから
引き算するのがいいと思います。
洞窟の奥にいるモンスターを想定して、
その影が壁に映りこんでいる演出を追加しました。
影の瞳を光らせて・・・本当は光りませんが、
ここは絵描きさんが自分で作れる世界なのでカッコよく見えるように嘘もつきます。
最後に色味を整えて、完成です!
アイデア次第で色んな世界感が作れるので、
ぜひヴィネット制作に挑戦してみてくださいね。