イラストとファッション論
コミックイラストコースコミックイラストコース、講師のカワノマサトシです。
今回は、ファッションとイラストについて自由気ままに書いていきます!
なんか長くなりそうなので、読んでたら眠くなるかもしれません。
・さらっと服装の歴史!・
人間が布や皮を纏って以降、服装は階級、民族、思想等を体現し、個性を象徴する重要な要素となりました。
古代から人々は服の模様や、装飾を意識しながら自分という存在を表現していたわけです。
古代エジプトだろうと、イスラエルだろうとインドだろうと関係ないです、当時流行した服やスタイルを身に纏い生活してたわけですね。
でも、お金の無い貧民には無理です!階級とかあるので。
ミノアとか、マントルとか、トガとか、服の種類は色々ありますがややこしいので、古代系の映画観てください。
なんとなく分かります。
エジプト人がみんな半裸でピラミッドだけを作っていた訳ではありません、個性を強調したり、自己アピールが盛んだったんですね。
なんと装飾の勉強をしたり、髪に宝石を練り込んだりしてました。
中世の時代になるとヨーロッパの民衆は、さらにオシャレを楽しむようになります。
15世紀のフランスの女性はスリーブという付け袖をしたり、北欧の女性はエプロンの刺繍で映えを競ってました。
今でも量産型女子が、フリフリの付け襟をつけてますね、ああいう感じです。
この時代に、今のワンピースの原型、カートルや、コルセットも誕生します。
男に至っては、おかっぱや長髪やら色々と流行ります。
わざと服に穴を開けたり、刻んだりするスラッシュという、今でいうダメージ系のファッションも貴族の間で流行します。
シェイクスピア作品で有名なヘンリー8世もこのファッションをしてました。
教会が注意してもフル無視です、なんともロックンロールですね。
日本では平安時代の狩衣の柄や、江戸時代の小袖の模様で映えを競ってました。
18世紀、19世紀にもなると、付けるホクロやカツラ、チャイナ服の原型、袍(パオ)も生まれます。
後半には、皆さんお馴染みのセーラー服やジーンズが誕生します!
そして、20世紀、軍隊の衣服を原型としたTシャツが登場、その後ストリートファッションも生まれて今に至ります。
さらっと振り返りましたが、昔から人間はファッションや流行に敏感だったんですね、
現代のファッションで使われる服のご先祖もチラホラ登場しました!
・絵とファッションと作家・
いつの時代も、当時では最先端の画材や道具を使って作家たちは、流行の服を着た人々の絵を描いてきました。
ラファエロ、レンブラント、フェルメール、ロートレック、北斎にせよ、彼らの絵を見れば当時流行した服を着た人々の姿を見ることができます。
服を描くということは、作家自身がその服の形状や素材を理解してないとダメです。
既存の作品、アニメや漫画に描かれた服だけを見て、そのまま見様見真似で描いてもダメです。
作品で描かれた服には、原型やある程度の決まりがあります。セーラー服、シャツ、ジーンズ、パーカーにせよ、ちゃんと縫い目や襟の形状も決まっているので、適当に、想像だけで描いてはいけません。
よく対象の原型を観察しましょう。
そういえば、ジーンズのポケット位置が分からないという相談もよく受けます。
何度も言いますが、素材、形状を把握するため、手持ちの服をよく観察しましょう。
ファッションは個性を象徴します。
・「ファッションは即興の言語になる」(デザイナー/ミウッチャ・プラダ)
・「ファッションは「私は誰?」という問いと戯れている」(哲学者/ロラン・バルト)
ファッションや服装は、キャンバスに描かれた人物の性格を色濃く反映します。
作家自身がファッションに精通していると、描くキャラクターの個性や性格もより豊かに表現することが
できるでしょう。
作品の舞台が2020年ぐらいなのに、2000年代に流行った服をキャラクターが着ていたり、ファッションをしている作品をよく見かけますが、正直言って違和感しかないです。
舞台設定に合った流行のファッションを、クリエイターや作家自身がよく調べて、作品に取り入れてみてはいかがでしょうか。
余談ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチは個性的なド派手な赤い服を着たり、ピカソやダリもファッションに敏感でした。
最近では、ユニクロやWEGOなどのアパレル業界が、アニメとコラボしてますね。
エヴァンゲリオンにせよ、呪術廻戦にせよ、ラブライブにせよ、色んな作品のキャラクターに流行の服を着せたり、服にプリントして売り出しています。
アニメとファッションはかけ離れた関係ではなく、密接な関係なんです。
ちなみに僕はエヴァンゲリオンが好きです。
では、いきなり僕が描いたイラストを載せます。
何かいっぱい服が描かれてますね。
今回はアパレルショップ『WEGO』のスタッフさんにモデルになってもらい描きました。
現代オリジナルの服に見えますが、中世ヨーロッパ時代のワンピースやコルセットは現代風にアレンジされながらも、しっかりと今に役割や形状を残しています。
絵においては、陰影や線によって服の質感を表現します。
シワも重要です。服の素材が薄いと細いシワが出来やすく、厚いと太いシワが出来やすかったりします。
以上です、流行の服とかファッションについて語りましたが、僕自身はそこまでファッショニスタじゃないです!
ただ制作においてファッション性を意識すると表現の幅が広がるので、ぜひ皆さんも考えてみてください。
それでは、コミックイラストコースでお会いしましょう!
カワノマサトシ
- Profile
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イラストレーター・漫画家・デザイナー
高校在学中からIT企業にてCGデザイナーとして勤務
2011年からフリーのイラストレーター、漫画家として活動開始。
数多くのソーシャルゲームやPCゲームのイラストを制作する傍ら
商業漫画家として単行本を続々発刊。他、企業向けの似顔絵イラストなども制作。
近年では積極的にイラストレーションを出展。
‘19 ワインと楽しむアート展
‘20 葛飾北斎とIYN SELECTION
‘21 デジタル作品展 - Message
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経験から言えることは、絵というのは毎日たくさん描けば必ず上達します。
そして、大事なのは「志」を持つこと。
自分はどんなクリエイターになりたいか、何を目指すのか、まずは自分に聞いてみてください。
目標を定めてがむしゃらに努力を続ければ、必ず成果となります。
あなたが目標に近づけるように、僕がお手伝いいたします。 - ArtWorks