皆さん最近ガチャガチャ(ガシャポン)やっていますか?
お値段以上の価値を感じるような魅力とデザインで、ついつい機械がたくさんあるお店があると入ってチェックしてしまいます。
ところで皆さんは10万個を売り上げた大ヒットガチャ「ねぎ袋」ご存知でしょうか?
SNSで紹介されたり、TVの情報番組で紹介されてず~っと気になっていた「ねぎ袋」をついに再発売で発見できました!
1.顧客のニーズと共感をつかむアイデアとデザイン
スーパーでねぎを買う際に手提げ袋に入れるために折り曲げずに、長いままで持って帰るための傘袋くらいの長さの袋なのですが、よーく冷静になって考えるとわざわざねぎの柄を外に晒さなくてももっと洋服に合わせやすくねぎバレしないシンプルな傘袋で代用すれば良いのかと思ったのですが、でもクスッとするようなセンスで欲しくなってしまい、思わず1回300円を投入し買ってしまいました。
10万個売り上げという数にも心をついつい踊らされてしまいます!
冷静になって後々なんでこんなものを買ったんだろう?と思っても許せる金額なのがいいですね!
2.雑貨の企画・デザイン制作から販売されるまでに必要な業務
このようなガチャガチャなど雑貨の世界では一般的には
- ・流行やニーズのリサーチのお仕事
- ・企画会議
- ・デザイン
- ・工程管理
- ・製造(縫製やフィギュアなら原型など)
- ・営業(販路開拓・既存のルート営業など)
- ・SNSやWEB、マーケティングのお仕事
など、様々なお仕事が必要とされます。
企画書作成というお仕事でも会議に使うためのイラストやデザインを描くお仕事もあります。
3.雑貨デザインに必要な思考と発想
デザイナーってデザインだけしておけば良いと思っていた!
これが生徒さんからよく耳にする言葉です。
一見リサーチやマーケティングなどの業務は無関係のようにも思えますが、綺麗や可愛いだけではヒットにつながりません。ユーザー目線のアプローチもまた必要になります。
例えば雑貨に限らずファッションや通販関連の企業でもユーザーを招いての座談会などではデザイナーが同席する場合もよくあります。
例えばこんなことが座談会では聞かれます
- ・カタログの色や写真の雰囲気、フォントについて
- ・どんな製品が欲しいですか?
- ・どんな便利なものを買いましたか?
- ・どうしたらもっと使いやすいと思いますか?
- (UX:ユーザー・エクスペリエンス)
- ・最近の趣味は?買ったものや面白かったこと、今好きなことは何ですか?
- ・スマホにどんな写真が入っていますか?
実はここにデザイン構成や共感を生む様々なヒントが隠されています。
限られたスペースに文字や絵を配置し、さらに商品をヒットさせる重要なヒントを探し出します。また、生活雑貨やキッチン雑貨などの商品は機能性・安全性なども重視されるため、素材選定も重要なポイントになります。
なぜそのデザイン(色・フォント)であるのか、客観的な観察力やリサーチによる根拠をもとに企画書を作成します。
このような点が芸術的・アート的なデザイナーとは大きく異なる点です。
デザイン〜商品化までの一連の流れを多くの人が携わるためご自身の考えを伝えたり、クライアントの意図を適切に読み取るコミュニケーション能力も磨いていきましょう!
4.雑貨・パッケージデザイナーになるために必要なスキルや資格
- ・デザイン事務所や企業に所属
- ・業務委託などで個人で受注
- ・コンペに応募
など雑貨デザインやパッケージデザインに携わる方法はありますが、
フリーにソフトよりも現在は
- ・Illustrator
- ・Photoshop
などで制作したデータでの納品を求められることが多いため、ソフトに対応できることが必須スキルになるでしょう。
- ・色彩検定、カラーコーディネーター資格 などの色彩系資格
- ・Illustrator®️クリエイター能力認定資格
- ・プロダクトデザイン検定
資格は面接や書類審査・採用の1つの目安になります。
取得できた知識をさらにどう活かしているかセンスに注目している企業も多いようです。
5.デザイン制作業務をするために必要なポートフォリオ
デザイナーという職種は資格よりも実務経験やセンスが重視される傾向のため、
ポートフォリオのページの構成能力は、ご自身のセンスが問われる大変重要なものです。
特に雑貨デザイン制作に携わる商業デザイナーの場合、デザインセンス以外にもクライアントの意向を反映できる能力や流行を見るセンスが備わっているかも評価や判断材料にされます。
自分にできるかな?不安になるかもしれませんが、現場の先輩や先生、皆最初はあなたと同じような状況からのスタートでした。
だからどんどんご自身をアップデートしながらポートフォリオと知識をブラッシュアップをしてきましょう!
6.雑貨デザインの制作についてのまとめ
この流れのように、1つの雑貨が販売されるまでには沢山の工程を踏みます。
雑貨デザイナーという職種は
- ・市場調査
- ・流行のリサーチ
- ・情報整理
それを踏まえてのマーケティングを行い、綺麗や可愛いだけではヒットにつながらない「商品の販売促進」「利益追及」を訴求したデザイン制作が求められます。
でもそう言われてもまだ漠然としかイメージできないという方も多いですよね!
ここで簡単ポイントをまとめると
- 1.様々なニーズに対応できる絵が描けること。
- 2.現場や流行の変化、先輩たちについていけるようスキルを磨くこと。
独学でも習得可能と思われがちですが、商業デザインは即戦力や人とのコミュニケーション能力や流行の幅広い知識やセンスが求められるため普段の趣味の絵とは異なる幅広い画力は武器となり、プロの指導を受けることで、ご自身では気付けなかった箇所を、気付かせてくれますよ!
スクールなどに通うことで、先生や仲間から様々なアイデアや刺激をもらうことができるメリットがあります。
就職してからでは聞けないことも沢山質問しながらデザイナーの卵として成長しましょう!
実はこのネギ袋、写真を撮りたくてわざわざ長ねぎを買ってしまいまったので、(その後、ちゃんとお料理に活用)
きっとこの大ヒットの雑貨はネギ自体の売り上げにもちょっと貢献しているのかもしれませんね。
田村 志帆
- Profile
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大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業
JAGDA (日本グラフィックデザイナー協会)正会員
日本デコラージュ協会(JDCA)認定クラフトアドバイザー
受賞歴・コンペ優勝経験 多数 - Message
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子供の頃から物づくりが好きで、「いつか自分の力で、企業から仕事を受注したい」という夢から、現在至ります。女性では稀な、男性向けデザインも手掛ける現役デザイナーです。
「ハンドメイド作家」=「女性」ではなく、技術や知識を 知っておくと、様々な物づくりに応用ができます。ぜひ男性も気軽に参加してくださいね。 - ArtWorks