アートスクール大阪・ホームページ展覧会コンペ

 今年で4年目のホームページ展覧会コンペはアートスクール生なら誰でも参加できるコンペとして、年末のアートグランプリと同様に学校のイベントとして定着しつつあります。アートグランプリは画廊で展示されるのに対してホームページ展覧会コンペは、Webで閲覧されるのでアナログの作品に加えデジタルで制作された作品が必然的に多くなっています。また出品料が無料というのも魅力の一つかもしれません。
 ということで、今年のホームページ展覧会コンペの募集も終わり、先日から投票が始まりました。9月18日までこのホームページでも投票できますので、ぜひ全作品をご覧の上投票ください。投票はどなたでもできます。

 アートスクール内では4カ所に投票箱を設けています。出品作品はカタログにしてありますので、その中からお気に入りの作品を3点選んで投票できます。1点だけ選ぶのは大変かもしれないですが、3点ならわりと選びやすいのではないでしょうか。1枚の投票用紙につき1点記入していただき、それを3枚分投票できます。できたら作品の感想やメッセージなど添えていただけたら嬉しいです。

 コンペはアートイラストコースが主催しています。今回もデザイン科だけでなく美術科やハンドメイド作家コースの方まで、幅広く参加していただいています。アナログの技法や画材でいえば、水彩、油絵、水肥絵の具、アクリル、混合技法など、デジタル作品もPhotoshopやCLIP STADIOなどいろいろなアプリが使われています。もちろんアナログとデジタル技法の両方を駆使した作品も見られます。ここで過去の入賞作品を少し紹介したいと思います。

 上左の作品は2014年にアナログ部門で入賞された美術科の山下翼子さんの「憩」です。油彩で入念に描き込まれた草木や木陰のベンチ、奥にある針葉樹など奥行きのある光景を低い目線で捉えているのが印象的です。また、上右の作品は去年、準グランプリに輝いた美術科のSakikoさんの「無伴奏」です。混合技法で描かれた時が止まったような人物画ですが、混合技法による下地の効果か透き通るような肌の微妙な質感と青の衣装が目を引きつけます。

 デジタル部門での過去の入賞作品として記憶に新しいのははsacchinさんの「green」でしょうか。 青年のアンニュイな表情に何ともいえない色気を感じます。大きな葉に隠れるように身を置きながら、目線は何をとらえているのでしょう? 静かな絵なのに胸騒ぎを感じますね。

 右の作品は第1回ホームページ展覧会コンペでグランプリに選ばれた 保田 雲 さんの「わがままアリス」です。 デジタルならではのシャープさやグラデーションが見事に生かされていて、時計の歯車や鳥かごの立体感まで細かく描写できています。 デジタルの作品は絵肌がないので、簡単に描かれてるように思われがちですが、ペン入れだけで5時間、トータルで20時間以上はかかった作品だそうです。

 左のペンと透明水彩淡彩で描かれた作品は、2014年入賞の、曲渕洋子さんの「散歩道」です。線は銅版画のようにとてもシャープですが、水彩もそれをつぶさないように繊細でかつ自由に塗られています。もともと絵本のために描いていた絵ですが、時間軸で眺めていられ、ひとつひとつの建物や植物に見入ってしまう作品です。

 右の作品は去年のホームページ展覧会コンペでグランプリに選ばれた ぞえ さんの「どんぶり」です。 まず、いろいろな丼ものが行儀よく並んでいる様子に引きつけられますが、ペンのドローイングにささやかに色が付けられているたげで、特に食欲をそそるようには描かれていません。写真ならインスタグラムに載せるような、ちょっとおしゃれな構図でしょうか。お箸が一膳なので、もしかしたらぞえさんは食いしん坊なのかもしれませんね(笑)

 毎年開催しているホームページ展覧会コンペですが、アートスクールの各科・各コースから出品されるので、一部ご覧になっていただいたようにその作風や技法など多種多様です。 今年もたくさん楽しい作品に出会えました。コンペの展覧は絶賛開催中ですのでこの機械に是非ご覧ください。できましたら投票もしていただけると嬉しいです。

 

アートイラストコース オカモト ショーゾー

 

オカモトショ ーゾー

オカモトショーゾー
Profile
Nordbrücke版画工房に従事し銅版画・リトグラフを制作。
1982年大阪靭ギャラリーにて個展。以降、個展や企画展をはじめグループ展に多数参加。
絵画造形教室を主催し、油彩や3DCG、ペーパークラフト、フィギュアなどを制作。
大阪市都市協会ギャラリーにて優秀賞受賞。
ペパクラデザイナーコンテストにて最優秀賞受賞。
Message
変わらない大事なことも多いですが、技術や流行は変化し流動的です。
同じく個人の世界も絶えず変化しているのでしょう。
そんな中でみなさんといっしょに表現するすべを楽しくあるいは迷いながら発見し、
学んで行けたらと思っています。
ArtWorks
講師インタビュー

 

オカモト講師が在籍しているアート・イラストコースのコース紹介はこちらです。

このページのトップへ