アオリとフカンの人体
マンガコース
こんにちは、マンガコースです。
マンガには様々なアングルを使う状況が出ます。
特に少年漫画などアクションが豊富なジャンルは
アオリ(下から見た図)、フカン(上から見た図)は
必須のアングルといっても過言ではありません。
しかしながら、アオリフカンは難易度の高いものです。
ここでは人体を主に扱いますが、
人体のみならず背景にも関わることがあり手間がかかるものです。
では、そもそも、アオリ、フカンはどういう状況で使えばいいのか。
マンガは、自分の目線の高さを画面の中心に持ってくることが基本です。
ですが、そればかりだと絵作りが単調になってしまいます。
では以下の図をアオリ、フカンで描いて見ましょう。
アオリ
こちらは、アオリを使うことで、物が前に来て迫力が出ています。
フカン
こちらは、フカンを使うことで情報を多く出し、
また、どのような状況なのかが、明確になっています。
一概に言えることではありませんが、
アオリはアクションなどや物事の変化などに向いていますが状況の説明は不向きです。
手前に物が来やすいことも迫力が出やすいですが、その結果分かりづらくなるので注意が必要です。
フカンは上から見下ろすことによって多くのものを客観的に写し、状況の説明が得意です。
そのためアオリで迫力を出すには卓越した構図力が必要です。
このように、アオリ、フカンには各々意味があることを理解していただけかと思います。
しかしながら、アオリ、フカンを多用しすぎるとカメラをグルグル動かしていることになるので
読者が読みづらくなるのでそこは注意する必要があります。
アオリやフカンを描ける、ということは
絵作りの選択肢を増やすことであり、
適切に使えられれば読者に読みやすさを与えることであります。
さて、ではどう描くか、これが問題になる方は多いかと思います。
なぜなら、カメラを上下に動かすことにより、被写体の形、輪郭、バランスが変わるからです。
下から見た場合、人体の脚が大きくなり、頭に近づくほど小さくなります。
上から見た場合は逆です。
人体は、複雑な形をしているので、形を変えると戸惑うかと思います。
なので、全く描けないという方は、まず人体、骨格の練習をする必要があります。
そこで、人体の基本の形、バランスを理解したうえでカメラを動かしましょう。
バランスは理解しているが描けない、という方は
背景の練習をしてみると良いでしょう。
関係ないと思われるかもしれませんが、実は関係しています。
例えば、上から見たビルも手前は大きく奥は小さくなります。
人体よりはるかに単純な形なのでバランスを理解しやすいです。
そこで得たバランスを人物に置き換えることで目安が出来ます。
つまり、このぐらい上から見たらこの位手前が大きくなって、
この位傾くのか、という風にイメージが出来ます。
以上になります。
難しい課題でありますが、それ以上に作品の自由度が増すでしょう。
また描ける方もこういった構図をどこに用いるかで分かりやすさや迫力に影響します。
骨格もそうですが、このような絵の基本が関わっている課題は
トライ&エラーで描くことが大事になるでしょう。
長野 雄志
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