『白黒の印象の取り方』について
マンガコースマンガコースです。
今回のテーマは『白黒の印象の取り方』になります。
特にカリキュラムでは設定していない内容ですが
個人的に重宝している絵の捉え方になります。
マンガを描く時に自分のページを見なおしたら、白っぽかったり、線が多すぎたり、トーンを増やし過ぎて全体的にグレーになったりするということはありませんか?それの良し悪しが味になることはありますが、マンガというのは読者が一瞬で見るものなのでパッと見の印象というのはすごく大事です。絵を描く際あれもここもと線を描き足して結局見づらい絵になった、という経験は多くの人が経験していることです。書き込みを増やすことはいいことですが効率的な場所に線を置くとよりよい印象になるかでしょう。
ではどのように印象をとるかですが、
絵の中の目立たせたいところを決めることです。
あれをみせたいこれを見せたいとなると
描き込みや白黒バランスが均一化し結果みづらい絵になってしまいます。
どこを見せたいか、そのためにはどこを省略すべきか。
まずは基本的な白と黒の配置をします。
大ざっぱで構いませんが、ここが一番大事な下地です。白黒バランスを合せるためのポージングなど考えると、キャラクターの動きが決まってくることもあります。
キャラのポーズがつけられない方は白黒のバランス面から考えてみるのも面白いでしょう。
この下地を間違うとこのあといくら細かく描いても全体の印象を改善することは難しくなります。ここでパッと見で決まっているか、遠くからみたり時間を置いたりしてみてチェックしてみましょう。それでいまいちならポーズから変えるか構図からやり直すかして、決まったなら細部を描き込んでいきます。
ここが取れない、という方は印象を捉えることが苦手であるといえます。
その訓練のためには映画、写真、なんでもいいですがそれを見ながら10~15分ほどで筆ペンなどで形と影をみながら作画します。
デッサンやクロッキーのように細かく描写する必要はありません。むしろ細かい形は外していいので、パッと見の印象を形や影をどこまでが白で、どこまでが黒かをどう処理したら良い印象になるかを意識して描写していきます。
失敗しても成功しても次のモチーフへ、と数をこなしていくことが大事です。
さて描き込みですが、ここでもパーツごとに優先順位は決めていくことをおすすめします。
この場合顔に目が行ってほしいので、顔以外の線の調子を変えています。
顔は細い線で描き込みます。
体はわりと大雑把です。大筋の線で描きました。
このように同じ絵でも違いをつけると視線を誘導することが出来るでしょう。
描き込むこと、抜くことは大事ですが、使いどころが重要になります。
特にマンガの場合一枚絵だけでなくページ全体を見た白黒バランスも考えていくので、肝心なのはマンガを描いていきながら学んでいくことだと思います。
長野 雄志
長野講師が担当しているマンガコースのコース紹介はこちらです。