小畑健展『NEVER COMPLETE』に行ってきました!!

今回は小畑健展に行って参りましたので、
そのレポートをお送りします!

小畑健展『NEVER COMPLETE』は、1月8日~1月20日まで大丸梅田店の大丸ミュージアムにて開催されていました。
私は開催されていることを知らなかったのですが、他の先生に教えていただいてぎりぎりで見に行くことができました。

小畑健さんといえば…「週刊少年ジャンプ」や「ジャンプスクエア」などの雑誌で活躍されていて、
『ヒカルの碁』や『DEATH NOTE』、『バクマン。』などの大ヒットマンガの作画をされている漫画家さんです。
あまりにも有名な作品ばかりなので、漫画をあまり読まない方もアニメや映画などでご存知ではないでしょうか。
アートスクールのマンガコースでも『バクマン。』連載時はアニメ化の影響もあったのか、
「『バクマン。』を見て漫画を描きたくなりました」という方がたくさん来られました。
『ヒカルの碁』連載時は碁がとても流行っていたそうですね。

今回はその小畑健さんの画集30周年記念ということで開催されたようです。
すさまじい画力で漫画家にとっては神様に近い存在!(あくまで私個人の見解ですが…)
私もその生原稿をじかに見られるチャンスはそうないので、このチャンスを逃してはなるものか!と思い、
期待大で行って参りました。

Mangaゾーン、Illustrationゾーン、Never completeゾーンの3ゾーンに分かれており、
それぞれかなりの点数が展示されていました。
私は閉場するギリギリに入場したので、人が少なくのんびり見られるかなと思いきや、
他の皆様も一枚をじっくり見ていらっしゃったのでなかなか進まない状態でした。
でもそう言う私もとってもじっくり穴が開くほど見つめていたので、人様のことは何も言えませんが…。

特に私はMangaゾーンをしっかり拝見させていただきました。
『ヒカルの碁』や『DEATH NOTE』、『バクマン。』のそれぞれ第一話原稿が展示されていて、圧巻の迫力でした。
私も全部読んだことがあるのですが、迫力ある生原画についついセリフもしっかり読んでその世界に浸ってしまいました。
ペンがとても滑らかで原稿用紙の上を滑るようにひかれていました。
アナログの平面のイラストなのに、立体感がとてもあり、紙の上から本物が出てくるようでした。
どの作品の原稿一枚とっても、一枚イラストのクオリティでどれだけの時間と手間がかかっているのか…
見れば見るほど恐ろしくなってしまうクオリティでした。

原画を生で見られることだけでも光栄なことなのですが…特に有難いと思った展示がありました。
透明なアクリル板で原稿を挟んで立てて展示してあり、原稿の表も裏も同時に見られるようにしたあった展示物です。
原稿の裏が見られる…ということは大変貴重です。
なぜ貴重かといいますと…

右利きの人はたいてい左向きの顔が得意で、右向きの顔は苦手な方が多いです。
(利き手が左の人はだいたい左向きが苦手です。)その対策として、右利きの人が右向きの顔を描くときは、裏面に描きやすい左向きで一回描いてから表面にトレース(透かして描く)…という手法を使うことが多いです。
そういうこともあって原稿の裏が見られることは作画工程を知るためにも大変貴重なのですが…
普通に原稿が展示してあっても裏からは見ることができません。
でも今回は裏を見ることができました!
すると…裏から描きにくい向きの顔を描いていらっしゃいました!!これは驚きでした。
(しかも…背景まで裏から描いていらっしゃるページもありました!)
小畑先生級の実力のある方が裏から描いているのであれば、確実にそうして描いたほうがきれいに描けるのだな…と妙に納得いたしました。
とっても勉強になりました!
この展示は描き手のニーズに答えてくれていて大変ありがたいですね。

カラーイラストはコピックで描いていると思えないほど、滑らかで塗りむらがなく、質感も表現されていて驚きでした。
私個人はコピックを使用すると塗りむらが出てしまい、マットに塗る技術がないので敬遠しているのですが
、技術がある人が使うと同じ道具でもこんなに違いが出るのですね。
本当にコピックで全部塗っているのかなと思うほどだったのですが…
展示の最後にカラーイラストを実演された映像が用意されていて、やっぱりコピックで塗られていました…本当にミラクルです。(初期の作品はカラーインクも使用されていたみたいです。)
何より驚いたのは、メカニックの色の描写です。
金属の質感の描写がリアルすぎて…写真と見間違う程のクオリティでした。

今回のテーマは『NEVER COMPRETE』ということですが、
私どもも漫画やイラストのお仕事は完成しない、ゴールがないとはよく言いますが、
この実力で完成していないとか…恐ろしく感じてしまいます。
マンガ一枚、一コマをとっても妥協しないプロ魂を拝見させていただきました。
ここまで来られるとマンガ家…というより職人といったほうがいいかもしれませんね。
最初から最後まで圧倒されっぱなしではありましたが、大変参考になりました。

残念ながら今回の展示は終わってしまいましたが、
皆様も機会があればマンガの展示会に足を運んでみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

正木 久美子

masaki2014
Profile
携帯サイトにてマンガ連載。
現在はフリーのマンガ家、イラストレーターとして活動中。
Message
最近は出版社に投稿すること以外にもWEBなど様々な発表方法があるので、自分でハードルを上げずに、まずは気軽に描きたいものを一作描いてみませんか? 皆さんと一緒にマンガ制作が出来ることを楽しみにしています!
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