マンガコース 作画技術訓練課題「スクリーントーンの削り&紹介」
マンガコースこんにちは。マンガコースです。
当コースでは複数の課題を用意しており、ある程度の順番はありますが、受講される方のレベルや要望に合わせて組み合わせを自由に変更できるようにしています。とは言え、課題名だけ見ても「具体的にはどんなことをするのか?」「この課題の目的は何か?」ということは、分かりにくいかもしれません。体験入学をしていただいた方にはその時に簡単には説明させていただくのですが、初めての場所に来て色々な説明を一度に聞いて覚えておく事は難しいかと思います。ですので、こちらで簡単にそれぞれの課題について解説していこうと思います。
前回は『色々な角度の顔』の課題についてでしたが、今回は、『スクリーントーンの削り&紹介』をさせていただこうと思います。
今回担当させていただく私のジャンルが少女マンガということもあり、トーン作業が一番好きなので、少し語らせてもらおうかと思っています。少々お付き合いをしていただければうれしいです。
スクリーントーンは本来、製図やデザインなどで使用されていたものなのですが、いつしかマンガで使用されるようになったようです。初期のトーンは一枚のお値段がとても高かったのですが、現在は値段も購入しやすいお値段になり、色んなメーカーで作られており種類も膨大な種類に及びます。
大きい文具売り場だと、ズラーッとトーンが並んでいます。初めてトーンを購入するときは、テンションが上がって、ついついあまり使えないような柄物トーンなどを購入してしまい何年も使わずに置いてある…というのが大体皆様共通のトーンあるあるのようです(*^_^*)
ちょっと話がそれてしまいましたが、トーンは透明なフィルムのようなものに網点などの印刷がされており、裏面は粘着力がありシールのようになっています。それを貼りたいサイズにカッターで切り取って貼りつけていきます。
網点などの印刷部分はカッターや砂消しゴムで削ったりすることが出来るので境目をぼかしたり、雲やトーンフラッシュを削ったりとアレンジが効きます。
マンガコースの課題ではトーンを削る課題があり、雲やトーンフラッシュなどを練習していきます。
トーンを削る練習をしてから雲を削っていきます。上下を丸くモクモクとさせると絵本のようなメルヘンな雲になったり、絵本のような雲より少しリアルにした少女漫画風の雲や、写真と同じようなリアルな雲まで削り方によって様々な雲を表現できます。トーンの濃度を変えたり、さらに影をつけたりすることで夕焼けなども表現が可能です。
物差しを使ってトーンを削っていきます。効果線のベタフラッシュと似たやり方です。
綺麗に出来るようになるには練習が必要ですが、使う頻度は高いので是非チャレンジして下さいね。
トーン削りの基本の練習は上記のようなものですが、これから少しトーンの紹介をさせていただきますね。
スクリーントーンには沢山の種類があります。影に使われる網点トーン、グラデーショントーン、カケアミや砂目トーン、チェックなどの服の柄になるような柄トーン、モノローグなどのフキダシに使われるフキダシトーン、効果線トーン、雲や葉っぱなど自然物トーン、少女マンガのバックの雰囲気に使われるきらきらしたものやふんわりした雰囲気トーン、CGトーン、ホワイトトーンなど大きく分けても沢山の種類があります。
背景トーンなどは背景を線で描いてあるものまで販売されているので、ご自分の絵に上手く合う方なら、背景を描かずにトーンで済ますことが出来たりします(私は無理ですが…)。
さらに効果線や上記のようなトーン削りが苦手な方は、ペン線の効果線(スピード線や集中線など)トーンやトーンフラッシュをすでにしてあるトーンが販売されているので、どうしても綺麗にできない…という方はトーンを使う…というのはいいと思います!(注:将来アシスタント希望!という方はそういうトーンに頼らずにご自分でできた方が良いですよ!(*^_^*))
さらに各メーカーによって違いがあり、値段も様々です。
値段が高いものはやっぱり高いだけあって、長期の保存に適していたり、網点が細かくて綺麗だったり、点描も一粒一粒がとても繊細だったりするので私はとてもお勧めです。お値段が高いから…といって敬遠するのはもったいないと思います。
他にも雲の種類が多くてとてもきれいなトーンメーカーや、可愛いふんわり&きらきらしたトーンが多いメーカーもあります。私は雰囲気トーンがとても好きで、重ね貼りをしたりして画面をキラキラにさせてしまいます…。少々原稿の重さが増えているような気がするぐらいです(笑)
網点一つとってもメーカーによって点の細かさや、綺麗さが違ったり、粘着力や切れ味が違ったりするのでお気に入りのトーンをぜひ見つけて下さいね。