絵本づくりに、おススメ本! 「藤子・F・不二雄のまんが技法 」
絵本と表現コースやるべきこともあるけれど、時間があるときは、わざと遠回りして、不要不急な読書はいかがでしょうか?
絵本の作り方の本は、少しですが検索すれば簡単にでてきます。それ以外で絵本づくりに役立ちそうな本を紹介します。
「藤子・F・不二雄のまんが技法 」(小学館文庫) です。https://www.shogakukan.co.jp/books/09404331
言わずと知れた、児童漫画の第一人者「ドラえもん」の作者「藤子・F・不二雄」先生の漫画の作り方の本です。 「パーマン」「キテレツ大百科」など子供のための商業誌で活躍し続けられましたが、「SF短編」「異色短編」など青年誌でも面白い作品を発表されています。
1988年発行の子供向けの本の再構成の文庫化ですが、内容は子供向けではありません。漫画家志望の人だけでなく、プロのクリエイターを目指す人、全てに通用する本です!
この本の内容はマンガを描くコツが書かれているのですが、絵の描き方だけではなく、映画づくりのような物語と作画の意図、アイデアの作り方や、考え方を書いています。芸術的すぎたりや個人の満足を目指す方には合わないかもしれませんが、商業誌で発表されエンターティメントというカテゴリーでヒットを出し続けた作者の考え方です。なので「商業誌の場合は売れるためには多くの人の共感を得られることが重要。そのためには、創作するは人間はどこかで『ふつうの人間』である必要がある。」といったことの、理由と方法がていねいに、子供にもわかりやすい言葉と説明で書かれています。
わかっているような事でも、具体的で豊富な作例と共に紹介されています。あらためて読んでみると「なるほど」と納得することが多く、考え方としてもよくわかります。それは絵本づくり表現にも、とても役立ちます。
これから商業誌でエンターティメントというカテゴリーで絵本をつくろうと考えている方には、おススメです。ぜひ読んでみてくださいね。
絵本コース講師/中田弘司
中田 弘司