多彩なアートと奥深い物語の魅力「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」
絵本と表現コースエレベータで一気に「あべのハルカス」16階まで、お出迎えはフォトスポット。ただ、今は入口では慎重に体温を計られて、ソーシャルディスタンスです。
「あべのハルカス美術館」で、世界で唯一の「ムーミン美術館(フィンランド・タンペレ市)」所蔵の作品や、作者であるトーベ・ヤンソン(1914-2001)が最後まで手元に残した貴重なコレクションなどが展示されていました。
ムーミンの小説は全部で9つあり、そのモノクロの小さな原画が、大きなマットに収まり、額装されシンプルな美しさを倍増させていました。また、基本はモノクロの印刷原画ですので、切り貼りして一つのカットになっているのもあり、作業の軌跡が楽しく、トーベ・ヤンソンでも作品を仕上げるためにはこんな小さなカットでも試行錯誤するのだと安心しました。
そして、絵本「ムーミン谷へのふしぎな旅」のスケッチでは、カラーのスケッチと実際の絵本を展示して、完成までの少しの変化に、完璧さを求める仕事の姿勢を感じました。この原画は子供の頃に見た、ゆるい楽しいアニメのムーミンとは少し違い、水彩で描かれた「不思議な暗さ」の濃密さが心地よいのです。
それ以外にも、銀行や新聞の広告などもトーベ・ヤンソンが最後まで手元に残しておいた作品を含むムーミンキャラクターズ社保有の貴重なコレクションも展示。またトーベが愛した日本を、写真資料やスケッチでの紹介や、浮世絵とムーミンを並べて展示しており、その類似点を探すことも楽しく、トーベ・ヤンソンの多様な側面が感じられました。
絵本コース講師/中田弘司
◆ムーミン展HP(公式)/
https://moomin-art.jp/
あべのハルカスは8/31まででしたが、今後は札幌、熊本、静岡と続くようです。
◆ムーミン公式サイト/
https://www.moomin.co.jp/
中田 弘司