絵本は想像だけでは創らない。情報の整理と、資料の重要性。
絵本と表現コース絵本コースの本棚には、たくさんの絵本がそろっています。
ここにある絵本を読むだけでも、時間はかかりますが、とても勉強になります。絵本の整理の方法としてまずは使用画材で分類出来ます。色鉛筆、透明水彩、アクリル絵具だけでなくコラージュや版画に印刷指定。次に内容、シリアスなものからナンセンスまで、また言葉に出来ないものもあります。そして目的やメッセージ、また対象年齢でも分類できます。乳幼児への読み聞かせから、園児の学習もあればエンターティメントも、大人の読者にも対応する読み応えのある物まで。全ての内容を覚える必要はありませんが、分類整理して頭に中にインプットしておくと、必要に応じて探し出せるようになります。
もちろん自分の中から溢れ出るイメージがあれば良いのですが、なかなか自分が欲しい物、内容が見つからない場合もあります。そんな時も自問し続け、自分の好きな物や、想像を広める為にも、普段からいろんな物事をインプットしておくことが必要です。
ただし絵本は、絵本を創る際の資料として参考にしても、絵を描く資料にしてはいけません。好きな絵本の模写は、タッチや色味の構成など画面の構成の勉強にはなりますが、リアリティを求める世界観は現物を対象にする事が一番です。絵を見本に絵を描くことは、コピーのコピーが劣化してしまうように、加工品の二次加工なってしまい、美味しくありません。やはり実物を資料として絵を描く事がリアリティのある世界に繋がります。
絵本コース講師 中田
中田 弘司