是非とも一度、版画をご賞味あれ!
版画コース版画コースでシルクスクリーン担当の谷山です。
私事ではありますが、
先日シルクスクリーンによる版画展に参加させて頂きました。
その時の出来事です。
御覧頂いた方の中には、ごく僅かではありますが
私の作品をご覧になって「これは版画ですか?」と聞かれます。
『シルクスクリーン版画展』と銘打ってあるのですが・・・?
本来ならば「シルクスクリーンで作った版画です。」と答えるべきかも知れませんが、
大抵は「そうです。」と答えてしまいます。
どこからか「面倒なことになるよ」という囁きが聞えるのです。
一般的に版画というと浮世絵版画か
彫刻刀でザクザク彫った板目木版を連想されるようで
「印刷?写真を使うなんてとんでもない、邪道だ!」らしいのです。
ということで、今回出品した作品の制作方法を簡単?に紹介すると、
子供の頃に色の三原色というのを聞いたことがあると思います。
一般的なカラー印刷は赤、青、黄、と黒で出来ています。
作品によっては他に特色で版を加えます。
写実的な絵画と同じく、
対象となるモチーフをデッサンするのではなく、写真を撮ります。
その写真を加工して原稿ができます。
その原稿をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に分解し、
さらに特色を作ります。
各々の色にそれぞれの色が被らないように
角度を変えながら網点をかけ、
フィルムにして製版して版を作ります。
そして一色ずつ刷り合わせれば出来上がりです。
但し、これらの作業に入る前や制作過程の間にはさまざまなことがある訳ですが。
その結果が「へえ~、版画って面倒くさいんですね。止めときます。」ってことになる訳です。
ちょっと待って下さい!
あなたは料理するのに包丁も鍋もフライパンも・・・、
もちろん食材も使わないんですか?
味わうってことがないんですか?
ちょっと辛いかも知れませんが版画を一度味わってみて下さい。
今までに味わったことのないような美味かも知れませんよ!
ひょっとしてアレルギーでも?食わず嫌いはいけません。
肉料理だけが食事じゃないんですから。
是非ご賞味あれ!
谷山 文衛
- Profile
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‘10 佐伯俊男展に参加(DA-END/PARIS)
‘11 「日本のイメージの多様性」展(USA)
‘12 V Biennale Internazionale Mail Art2012(ITALIA)
‘13 International Mail Art Exhibition at the Akademie der Kunst.Berlin(GERMANY)
‘13 第4回 NBCシルクスクリーン国際版画ビエンナーレ展(美術家連盟画廊/東京他)
‘15 日米美術交流展(金沢湯涌創造の森/石川)
美学出版刊行『戦後関西版画史』の「関西の版画工房」を執筆
大阪芸術大学、京都造形芸術大学元非常勤講師
宝塚造形芸術大学元特別講師
刷り師として国内外有名作家の版画制作に携わる。 - Message
- ストレスの溜まる現代社会で、
ひとときの精神の解放を共有したいと思っています。 - ArtWorks