版画コースに入校したらどんなことをするの?その2
版画コースこんにちは!版画コース講師の山内です。
今月のブログでは前回に引き続き、
入学したばかりの人がどのような事をしているのかご紹介していきたいと思います!
③多色銅版画
銅版画を知っている方でも、
「銅版画=黒一色の緻密な絵」というイメージをお持ちなのではないでしょうか?
↑こんなイメージでしょうか?
こちらの作品は、版画コースの大村さんの銅版画作品です!
今からご紹介します「アクアチント」を用いた多色銅版画という技法では、そういう銅版画イメージとは全然違う作品を作る事ができます。まずは初めて挑戦した生徒さんたちの作品をご覧ください!
↑これは2版2色!
↑これは4版4色です…!
「4版4色」を簡単に説明すると、
「赤・青・黄・黒」の4枚の版で1枚の絵を作っているという事です。
そして
赤と青が重なった部分は紫に!
黄と青が重なった部分は緑に!
さらに、黄と薄い青が重なった部分は黄緑になります。
黒も濃い黒は他の色を完全に覆う黒になりますが、薄い黒は他の色を暗くします。
重なりをよく考えて作ると、4色だけでも幅広い色が出せるのです。
↑多色銅版画を長く作品にとりいれている、版画コースのミノさんは、
3版3色でこんな風に深みのある色の銅版画をサクサクっと作っています。
色分解は慣れるまで難しいので、最初はこちらで用意している絵を使って学んでいきましょう!
もちろん最初から自分で描いた絵を持ってきてくださる方もいます。
講師が一緒に色分解を考えますのでご安心ください!
④銅版画の下準備!
本当は一番初めに学ぶので①なのですが、
作業が地味なのでこの順番でのご紹介、「銅版画の下準備」です。
★端を削る
銅版画はプレス機に通すので、どの技法をするにしても4辺の端を削る必要があります。
↓プレス機のローラーが登りやすいように、90度の坂をなだらかな坂にしてあげましょう!
↑鋸ヤスリ等を使って端を削ります。この写真はバニッシャーで磨く作業をしています。
最初はコツが掴めず難しいのですが、時々初めてなのに物凄く上手い方が居てビックリします…!
★液状の研磨剤で版の表面をピカピカに。
一切磨いていない状態で刷ると、版の表面にインクが引っ掛かって空白の白が綺麗に出ません。
鏡のように顔が映るまでピカピカに磨きましょう!
↑昔の銅鏡はこんな感じだったのでしょうか?
他にも細々と、絵を描く以外の作業が結構あるのが版画です。
基本的には、絵を描きつつ、腐蝕液に浸けている合間に他の作品の下準備し、刷りをする…と、様々な事を同時進行していきます。
こう聞くと大変そうに思うかもしれませんが、きれいに進行できている生徒さんとは、講師と2人で「なんて段取りが良いんでしょう…!」と讃え合っています(=´∀`)人(´∀`=)なんとなく達成感♪
今月のブログは長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
すっかり暑くなりましたので、熱中症には気をつけてご自愛くださいね。
版画コース講師
山内あすな
山内 あすな
- Profile
- ‘14 京都精華大学大学院修士課程版画専攻修了
17th International Graphic Art Triennial Frechen (フレッヒェン/ドイツ)
‘15 東京国際ミニプリント・トリエンナーレ (多摩美術大学美術館)
‘16 Mini Print International of Cadaques (カダケス / スペイン)
‘17 Miniestampa TGB-eMe (メキシコシティ/メキシコ)入賞 - Message
- 版画の良いところはたくさんありますが、
私が気に入っているのは、作品サイズが大きくなっても軽く、
海外に簡単に送れるところです。
版画は学べば学ぶほど面白くなる技法です。
一緒に学んでいきましょう。 - ArtWorks
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