こんにちは。版画コースの平田です。
細かい絵を版画で描く場合、線が美しく見える銅版画とか、写真製版ができるシルクスクリーン技
法を選びがちです。
生徒さんにもそのように勧めていますが、木版講師として、ちょっと細かいものにもチャレンジしてみようか…!と思い普段の作品とは違う題材で制作しました!
できあがったものをパネル張りしたものです↑
意外と細かい表現も頑張ったらできるんですよ(^^;)
自分の作品だと、あまり細かい表現をしないので、
アニメ映画『PROMARE』のポスターを木版画で起こしました。
これが2回(2版)摺った段階↑
「仕上がりと色が違う…」と気づくかと思いますが、この黄色はベースの色となります。
グラデーションや発光色を上から摺るので、彩度の高い黄色をベースにしておくと、発色をよくする効果とグラデーションを楽に美しくする効果が得られる気がします^ ^
メイクのファンデーションと同じ原理かな。
ちょっとずつ濃い色の版も摺っていきます〜
版の上に絵の具と接着剤の糊を置いて、
刷毛で伸ばしていきます。
紙を置いて、
バレンで摺ります!
3回目(3版目)摺り上がりの一部分です↓
アニメ映画『PROMARE』見た人ならわかるかな…?
途中段階までですが、こんな感じで摺りあげていきました〜
グラデーションの部分は、はじめっから完成形の色をのせると失敗することも多いので(私の場合は;;)、薄い色から段々と重ねていきます。
なので、ベースに黄色があると、グリーン系のグラデーションは色味の調整がしやすいし、色を重ねていっても彩度の高い黄色がベースにあるので、色が濁りにくくなります。
(※これは絵具の濃度や種類に左右されますので、あくまでも私の絵具の作り方では重宝する、ということかもしれません…)
どうでしたでしょうか?
意外と細かい表現もできるもんなんですよ、木版画でも!
と熱い気持ちになりつつも、当分は細かい木版は作りたくないなぁ〜と思うのでした…
あっ教室では、ベーシックな木版画からのスタートとなりますので、ご安心ください〜^ ^
版画コース 平田
平田 彩乃
- Profile
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略歴
‘89 愛知県生まれ
‘13 京都精華大学芸術学部メディア造形学科 版画コース 卒業
‘15 京都市立芸術大学大学院前期博士課程 版画専攻 修了受賞
‘12 第37回全国大学版画展 収蔵賞
‘15 京都市立芸術大学制作展 同窓会賞
‘17 International Sint-Niklaas蔵書票展 入賞 - Message
- 木版画の新しい一面やおもしろさ、奥深さを一緒に体験できたらなと思います。
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