版画の道具について 彫刻刀 編
平田 彩乃こんにちは。
版画コース講師の平田です。
「版画」というと、木版画を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
小学校の図工のときに触れた方も多いと思います。
彫刻刀で彫って、版を作っていきますが、彫刻刀の彫り方によっては同じ彫刻刀でも全く違う表現の仕方ができるんです!
オーソドックスな彫刻刀5本セットです。
奥から、丸刀(大)、切出し刀、三角刀、丸刀(小)、平刀
写真だと分かりにくいかもしれませんが、刃を正面から見ると、丸っこい半円になっているので、丸刀といいます。
三角刀は三角(V字)になっている、平刀は平らなのでこういう名前になっています。
大きい丸刀は、広い面積を彫りたいときに使用します。
小さい丸刀は、大きな丸刀では彫れない細かいところや、版に表情をつくるときに使用します。
平刀は、丸刀で彫った跡の凹凸を平らにしたり、浅く彫ってぼかすような表現をつくれたりします。
平刀は本来、まっすぐの刃なのですが、私は斜めになっていたほうが使いやすので、研ぎの加減で刃を若干斜めにしています〜
三角刀(右側)は、彫り跡が線となります。いろんな表情をつくれるので三角刀でも大きいのと小さい刀のもの2本くらいあるとおもしろいと思います。
個人的に一番好きな彫刻刀である切出し刀(左側)は、三角刀で彫れないくらい細い線を彫れたり、イメージの輪郭線をカッターで切れ込みを入れる要領でなぞっておくと、輪郭がよりシャープに仕上がったりします。
三角刀は、刀の大きさや彫りの深さで、全く違う摺り上がりになります!
彫りの練習がてら、いろんな彫り方やその摺り具合を実験してみると楽しいかもしれません^^
ここで紹介した彫刻刀の使い方は、ほんの一例にすぎません。
自分が彫りやすい彫刻刀の使い方が一番ですので、それを見つけ出していくのも版画の魅力ですね〜
今の季節だと、年賀状をつくってみてもいいですね。
お気軽に始めてみてはいかがでしょうか?
平田 彩乃