FRESH START
しらさわ麻代この春、末っ子が中学生になり20年以上続いた子育ての峠は過ぎました。
在宅でフリーランスの仕事と子育てに忙殺された20年。
目の前のノルマをがむしゃらにこなし、慣れない育児で睡眠不足と我慢の数々、
制限された環境で自由に働けない悔しさを感じつつも、
家族全員で笑って過ごす日々の楽しさも経験出来ました。
私の頭の片隅には常に自分のやりたいことリストが並んでいて、
それを実現させるための資格取得、勉強を隙間時間で何とか確保、
いつかきっと役に立つ日がくるはずと信じ込ませ、
前だけ向くよう努めていました。
さて、待ちに待った念願の自分だけの時間!
作りたくて仕方なかったホームページにチャレンジ!と
Dreamweaverを少しだけ勉強していました。
さ、やりたいことをやるぞ!
自分だけのホームページ、
自分だけのイラストと写真で
自分だけの世界を作るのだ!
意気込んでwordpressもインストール。
クロッキー帳にアイデアを書こう、、、、と思いきや
・・・・何を書けばいいんだろう。
書きたい物が、載せたい物が全くない。
ネタがない。
いわゆる「コンテンツ」が完全にない・・・
いや、今だけだ。
少し時間が経てばどんどんアイデアの泉が湧いてくるはず。
・・・が、いくら経っても湧いてはこなかったのです。
なんだかんだ言っても毎日仕事はあるし、
家事が全く無くなったわけでもないので
ただ時間が過ぎるだけでそれ程危機感はなかったのです。
いや、危機感というよりは虚無感に襲われていたのです。
私って、一体なんだろう?
私のホームページって何の役に立つんだろう?
何のイラスト描きたいんだっけ。
何の写真を載せたかったんだっけ。。。
答えが出るまで相当時間がかかるかも・・・と恐れ、
レンタルサーバーを一旦解約しました。
商品を企画したり、売れるためのコンテンツを考えたり、グラフィックを作り続けたり・・・
何かの、誰かのために、
言い換えれば収入のために企画、デザイン、制作をしていました。
いや、今もそうしています。
そしてふと、30年前を思い出しました。
ーーー新入社員になった時のこと。
とにかく私は個性が強い新入社員だったと記憶しています。
やりたいことがはっきりしている、売りたい商品が一般的ではない、
いわゆる万人受けしない個性の塊でした。
会社からは徹底的に一から叩き込まれました。
売れるものとは?
ターゲット層が好む色とは?デザインとは?
生活する上でどのような物が一番売れるのか、顧客は何を求めているのか?
お客様のために、
お客様の目線で・・・
そして売れる商品を企画し、好感度を持たれる色合いにまとめ、デザイン。
売れるとやはり嬉しくて、周りから褒められるとその気になる。
人の好みを知り、人が喜ぶ商品を学び、
それでも私の個性はずっと残ってると思い込んでいました。
家庭に入れば世間体という一言でまとめられた物差しに、自分を合わせ
他人から批判されないよう
子供が人様に迷惑をかけないよう
学校、町内会、PTAに愛想笑いを振りまきます。
家族に影響しない程度に在宅で、外で、
家庭の都合に合った仕事を転々とし、
ふと気づけば白髪交じりの疲れた更年期になっていました。
その矢先です、
私って一体何?って考えることになろうとは。
紛れもなく、自分が陥ってるその状況。
そんな中、ふと何気に知った「アート思考」という言葉。
何?アート思考って。
私芸大出てるのに分からない。
迷いなくアート思考のオンライン講座を受けて理解しました。
個人の意思で、自分目線で社会の課題について考える思考、ということらしい。
30年前の私なら、このブームは追い風になっていたでしょう。
でも今の私には・・・・
敷居が高い。
しかしこうしてブログを書かせて頂ける機会を設け、私は思いました。
”また新入社員に戻ればいいじゃん。”
この年齢とはいえ、今から蓄えられる新たな知識、技術は紛れもなく私のもの。
今日から出会ういろんな人たちから得られる情報は、きっと老後、自分の糧になるはず。
自然体で少しずつ、自分の作品を増やしていこう。
まずは自分の「個性」を見つけなきゃ。
今の仕事を大切にしつつ、
いろんな人に出会って知識を増やしたいと思っていたところ、
アートスクール大阪にご縁があって
今年からオンライン講師をさせて頂く運びとなりました。
初心に戻って、新たな人生の門出を迎えられますように。
いつかこのスクールで出会う人たちから、
「先生のブログ、やっと内容が濃くなりましたねー!」
とお褒め言葉を頂戴できますように。
このブログのタイトルは
再出発:FRESH STARTにさせてもらいました。
追記:
大好きな夏野菜を乗せたキーマカレーをiPadのFrescoで描いてみました。
描いている間は食べてるつもりになれるから、気持ちだけでもダイエット出来るかな、という淡い期待。
実際は全く効果ありませんが。