『インターネットが・・・すべてを変える』

26年前、1995年にインターネットが始まりました
グラフ

などと言うといろいろな反論を受けるかも、と思います。

インターネットの研究は1960年代から始まっていて、70年代、80年代には研究者や学者はメールのやり取りをしていました。
日本の物理学者たちもインターネットのEメールによって、海外の物理学者との交流が可能になって、
日本の理論物理学の発展にも寄与したということです。
つまり、一部の専門家たちの世界では、インターネットというのは随分前(60年くらい前)から存在していたというわけです。

1995年の12月に書店で見かけたNewsweek日本語版の表紙には
『The Year of The Internet インターネットとの遭遇』
という特集タイトルが書いてありました。

Nyewsweek

少しめくって見ると
『インターネットが・・・すべてを変える』
というコピーがちょっと怪しい写真と共に掲載されていました。

インターネットは一部の専門家のもの

1995年以前、インターネットに接続するためには、接続するためのソフトを自分で作る必要がありました。
もともとコンピュータは自分でプログラムを組んで使うもので、
ソフトとかアプリとかが販売されるようになったのはパソコンの時代になってからです。
なので、インターネットを使える人というのは、プログラムの専門家或いは
そういう専門家が近くにいる職場で働いている研究者の人達に限られていました。
つまり、インターネットは一部の専門家だけのものでした。

誰でも使えるインターネット

インターネットが何故誰でも使えるようになったのか、
そのきっかけはマウスでクリックするだけで誰にでも使えて、
インターネットに接続できるブラウザーソフトが作られたこと、でした。
今考えると不思議なことなのですが、当時の専門家たちは、
プログラムが出来ない人にインターネットを使うメリットはないと考えていたのかもしれません。
また、
1995年までのインターネットでは文字と画像は同時に表示されませんでした。
そもそも研究者たちが意見交換をするためには「エンタテインメント」の要素は必要ありません。
そんな時代に、インターネットを誰もが使える楽しい空間にしようと発想した人物がいました。

マーク・アンドリーセン

1992年、マーク・アンドリーセンは21歳でイリノイ大学の学生でした。
同大学の全米スーパーコンピューティング・センター(NCSA)で、時給6ドル85セントでアルバイトをしていました。
Newsweekの記事によると、アンドリーセンは
「何種類かの新聞と何十冊もの雑誌に目を通し、CNNでニュースをチェックし、電子メールを何百本も書くプログラミングの達人」

「身長190センチを超える半ズボン姿の巨体で、車の中には牛乳パックやクッキーの包み紙、半年分のパソコン雑誌が散乱し、
お気に入りのジャンクフード屋に通う」
青年だったらしいです。

人

世界初のブラウザ、モザイクの登場

アンドリーセンは友人のエリック・ナビと協力して、世界で初めての「ブラウザソフト」を開発しました。
彼らはこのソフトを「モザイク」と名付け、インターネット上で無償で公開しました。
彼らのやり方、最も基本となるブラウザソフトは無料で使えるべきである、という考え方は今もネットの世界で継承されています。
テキストや画像や音楽を組み合わせたマルチメディアデータを、マウス操作だけで使うことが出来て
誰もがインターネットの世界を閲覧(ブラウジング)することのできるツールの誕生は画期的な出来事でした。
モザイクはたちまち大評判になってゆきます。
インターネットの文化はこの時に始まった、と私は思っています。

まだまだ続く変革

その後、アンドリーセンはNICSを辞めて(クビにされたという説もあります)小さなソフトウエア会社に勤めるのですが、
シリコングラフィックス社の創始者ジム・クラークとの出会いが、
アンドリーセンの人生とインターネットの世界を大きく動かしてゆくことになってゆきます。

人めがね

インターネットは世界中の人間の生活、文化、仕事を変えてしまいました。
変革は今も続いています。
(その2に続く)

アートスクールオンライン
アートイラストコース講師:百谷正則

 

百谷 正則 【イラスト】

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大阪市立大学工学部応用物理学科
東京モード学園コマーシャルデザイン学科
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イラストの技術は正しく練習すれば必ず上達します。
皆さんの進捗に合わせて最も効率的で正しいカリキュラムと練習課題をご用意しますので、
是非ご一緒に、イラストを楽しんで頂きたいと思っています。