デッサンで人物・年齢を表現する描き方～デジタル画上達方法を解説

デッサン上達のために特別な訓練はなく、「基礎練習の積み重ね」と「モチーフを十分に観察して理解する」という、基礎力の獲得が大切です。基礎を積み重ねていくこと で、表現力と創造力が備わっていきます。
デッサンは画用紙にH系からB系の鉛筆を使い分け、描きますが、近年では、iPadなどデジタル機器でのデッサン の再現度は高く、観察眼を鍛える訓練をすることができます。 そして、デジタルならではの表現も生まれて生きています。

これまで鉛筆と紙でデッサン練習をされている方やデッサンが初めてという方は、iPadでデッサン なんてできるのだろうか？　難しいのではないか、と想像されるかもしれませんが、基礎を知った上で、慣れてくると思いのほか快適に描くことができます。
是非、ご自身の表現を広げるといった意味でも、一度挑戦してみると、新たな世界が見えてくるかもしれません。

受講生様のデジタルデッサン作品を例に、
「基礎練習の積み重ね」
「モチーフを十分に観察する・理解することの重要性」
そして「基礎の積み重ねにより習得できた表現力・創造力」
を解説いたします。

1.デッサンでモデルの推定年齢を変える方法

下のデッサンを見ていただくと、年齢が左側の途中段階より、右側の完成作品の方が若年層に見えないでしょうか。

基本的な骨格や成長による、筋肉や脂肪の変化を学ぶと、モデルの年齢の描き分けが可能になります。

【　Point　】

• ・顎の長さを短くし、幅も小さくしたこと ・唇の力みをぬいたこと
• ・眉毛を整えず、自然な毛流れにしたこと
• ・額を横に広くし、傾斜に丸みをつけたこと
• ・胸・背中のボリュームを削ったこと ・うぶ毛をしっかり描き込んだこと

5つの点を意識してデッサンを進めていくだけで、モデルさんの推定年齢に近く、 印象を変えることができました。

【　共通ポイント　】

• ・若年層の方が、顎の骨が小さい傾向にあります。
• ・額の傾斜は、男性は直線的で、女性は丸い傾向があります。
• ・眉毛を整えた印象から、毛流れを意識した自然な描き方に変えることで素顔の印象が強くなります
• ・柔らかなうぶ毛は、赤ちゃんにもあるように、若年層の表現に効果的

です
もちろん、個人差はあるものの、人物・人体の特徴を知ると理解が深まり、デッサンも磨かれていきます。

2.観察力を磨くとデッサンは劇的に変化する

上記受講生様のとおり、にデッサン上達のために「観察力」を磨くことはとても大切です。
観察力を磨きモチーフの理解を深めることができると、人物の動きや細 かな部分を描き分けることができます。
人体構造や筋肉を知識として学び理解することも大切ですが、ものを見る力・観察力を磨くこと で、デッサンは劇的に変化します。

3.写真模写でデッサン基礎力は上達する

実物を観察し描くことはとても重要です。
しかしその一方で写真模写が与えてくれる技術力もあります。
デッサン力の上達において「筆圧コントロール」と「鉛筆の硬さの使い分け」の技 術を習得することも重要です。
グレーの幅が増えるほど、表現は深くなります。そして、グレーの質感を変えることで、空間や凹凸硬さ柔らかさまで表現していくことが可能です。
上記例で描いている人物デッサンにおいても、光と影の落ち方の強弱や人体パーツの丸み・筋肉の硬さなど を表現する場合に重要な技術となります。
デッサン基礎課題でグラデーションを描く課題がありますが、それは筆圧コントロールと鉛筆の硬さの使い分けの練習になります。
この、「筆圧コントロール」「鉛筆の硬さの使い分け」は写真模写をすることで技術を練習することが可能です。

4.デジタルでここまで表現できる!人物デッサンの描き方

完成作品は、前からの光がしっかり表現されたデジタルデッサンに仕上がりました。
講座では、形の取り方陰影の付け方、細部の描き込み、うぶ毛や髪の毛の光沢 まで丁寧にご指導させて頂きます。
また年齢、性別といった人物の特徴の描き方も解説を加えながら、手を動かし、描く感覚をご理解していただけますよう尽力いたします。

そして、何よりご自身の手で変わっていくデッサンを楽しんで欲しいと願っております!
受講生の皆様の可能性は無限大です!