好評!ざっくりシリーズ
芸術学の講座で、好評につき次々と登場しております「ざっくり流れ」シリーズ。
現在は第4弾「ざっくり朝鮮美術の流れ」が進行中です。
前回の「ざっくり中国美術の流れ」から感じていることですが、自国に残されている作品が、実に少ない。
美術の歴史の流れをたどるのに、本当に「ざっくり」としかだどれないのです。
それはどうやら朝鮮の美術の歴史にも言えそうで、歴史の攻防が激しく展開した陸続きの大陸では、国の興亡にともなって美術品も徹底的に破壊されたことを物語っています。
それではどうやって歴史をたどるのでしょう。
実は、時代の穴埋めする名品は、日本に数多く伝来し、丁寧に保管され現代に伝えられているのです。
(写真の馬遠の作品などは、その典型です)
それは日本人の趣味で輸入されたものなので、傾向に偏りがあるのは否めませんが、かなりの点数と品質を誇っています。
何かで聞いた話ですが、中国からの観光客のなかには、自分の国の文化を確かめるために日本にやってくる人もいるとか。
また、ラジオの番組で、中国語教師が語った、日本の着物を見ると「唐時代を感じる」という言葉を聞いたことがあります。
面白いですね。
日本は、日本列島そのものが、「世界の正倉院」になっていると言えるかもしれません。
そんな美術以外のことも学べる「芸術学」。
その教養は、人生を豊かにすると、私はいつも感じております。
ぜひ、ご参加ください。
小林 泰三
- Profile
- デジタル復元師、彩色家
学習院大学哲学科美学美術史卒。
卒業後、大日本印刷の企画部門に就職。
'04 小林美術科学設立、日本美術のデジタル復元本格的始動。
'06 NHK特集「東大寺 よみがえる仏の大宇宙」大仏殿の色彩復元を担当。
'14 朝日新聞「be フロントランナー」に紹介される。
'15 彩色監修したNHK「カラーでよみがえるTOKYO」が菊池寛賞受賞。
光文社新書「誤解だらけの日本美術」など、著作多数。