空想の旅 Vol.01 「ルール」

空想の旅 Vol.01 「ルール」

皆さまはじめまして。
オンライン授業の絵本を担当する松野和貴です。

私のブログは「空想の旅」
空想の楽しさを少しでもお伝え出来ればと思います。

空想と言うと皆さんは何を思い浮かべますか。
ドラゴン、魔法、現実ではありえないような不思議な事件。
様々なことをきっと思い浮かべると思います。
そんなことに思いを馳せていると、ふとこう思う瞬間が出てくることがあります。

「なんでそこにドラゴンがいるのか?」
「なんで魔法が使えるのか?」

空想はとても自由で、ルールも約束も制限もありません。
だからいけないことなんて何もないのですが、
「理由」が存在するともっと深い空想の中へ入ることができます。
そうなっていくと広がっていくものがあります。それが、

「世界」

「竜木」透明水彩、ペン 2018

「竜木」透明水彩、ペン 2018


今回のブログは世界観に関してのちょっとしたお話です。

空想はいわば自分が王様になれるとても素晴らしいものです。
考えれば考えるほど、どんどん世界は広がってゆきます。
でも注意が必要。始まりも終わりもないところから作り出すので
調子が良ければ世界は無限に広がります。
そんな世界では、しばしば迷子になることもあります。
自分の作った世界で、迷子になってしまうことはよくあることです。

この先を進めば何があるのか。どんな生き物や文明が出てくるのか。
未開の地を開拓することにとてもよく似ています。
ですから迷子にならないために私は二つのことを決めることにしています。
それは「主人公」と「ルール」
この二つを決めることで広がり続けて散らばっていた世界がまとまり出します。
空想は自由だと言いましたが、自由なだけもしんどいものです。

「主人公」は自分の作った世界の中を旅してもらうのに最適です。
そうすれば自分が迷子になることは格段に減るでしょう。
主人公がいると広がり続ける世界に道ができはじめます。
会話も生まれます。事件も起きます。
しかしそれだけではいつの間にか主人公も自由に取り込まれてしまいます。
困ったことです。

そこで活躍するのが「ルール」
空想の世界では王様なのですから、私は出てきたモノやコトにルールを課すことで、
それらを統率してしまうのです。
その二つが存在すると世界はある程度一つの方向に発展していくでしょう。
ルールは迷子になりかけた自分や主人公を必ず元の道に戻してくれます。
今考えているより更に先にある、新たな出会いや出来事もルールによって形が変わるのです。

よく小説や映画、漫画、アニメ、ゲームでもこう言われる作品がたくさんあります。
「世界観が素晴らしい。」
これは目で見えることだけではなく、必ずと言っていいほどルールというものに
面白さを感じることが多いのではないでしょうか。
自分の常識とは違う世界、登場する人物たち、暮らす文明、守らなければいけない約束、
それらに思いを馳せることが最高に楽しいのです。

物語に深みを与えてくれるエッセンスを生み出すのもの。
それが「ルール」なのです。


「竜木」透明水彩、ペン 2018

「月の蛸」透明水彩、ペン 2019

 

松野 和貴 【イラスト/絵本】

松野 和貴
Profile
宝塚造形芸術大学 大学院(現・宝塚大学)造形研究科 修士課程 修了
フラコラ コラボレーションパッケージデザイン
上和電機 30周年記念絵本
YOLO HOTEL MUSIAM 壁画制作
その他、メニューや書籍、キャラクターデザインなどを提供
個展「内緒の部屋」 @日本橋
九×9 @天王寺
designhiro[Bar]と不思議な作品 @難波
イキモン展 @銀座
雑な家 vol.5 @中崎町
個展「ノアの不思議な動物図鑑」 @阿佐ヶ谷
アートストリーム2019 @心斎橋
Creators shoucase vol.3 @梅田
ODPドロフェス @南港
展覧会「平凡で風変わりなお茶会」 @天満橋
雑な家 vol.6 @中崎町
展覧会「平凡で風変わりな印刷所」 @京橋
Message
出来事や考え方、描きたいもの。
よく見る渡すと身の回りにはそういったモノやコトが
たくさん溢れています。
描く人はそれらをいろんな解釈で作品を作ります。
だから個性があって、魅力が詰まっているのだと思っています。
受講生の皆さまにも、想像する楽しさ、
それを表現する楽しさを少しでもお伝えできればと思います。